「もうやりたくない」
「自分には無理だ」
勉強している人が一度は考えることです。
勉強している人が、目標達成するまでには、乗り越えなければいけないことがたくさんあります。
やる気がでない。
むずかしくて理解できない。
頑張っているのに結果がでない。
そんな気持ちに勝ち続けなければいけないのは、一人ではむずかしいです。
勉強を続けられずに、学ぶことをあきらめてしまうかもしれません。
学習者の近くにいるわたしたちが代わってあげることはできません。
でも、何か力になりたい。
学ぶ人のモチベーションを高めてあげられたらいいですよね。
今回は、教える人ができる、勉強している人のやる気を上げるほめ方をご紹介します。
よくないほめ方がある
【できない】を【できる】にしようとしている勉強中の人たちは、それぞれに努力をしています。
できないことをできるようにするのですから、簡単なことではありませんよね。
勉強中の人たちにはぜひ、たくさんのほめ言葉をおくって励ましましょう。
「頭がいいね」というほめ方はやめよう
「こんな問題が解けたなんて、頭がいいね」
ついつい、こんなほめ言葉をかけていませんか?
実はこのほめ言葉、学んでいる人にはマイナスになってしまうのです。
人は、頭の良さをほめるられると自分の能力以下のことしかしなくなるということが分かっています。
(スタンフォード大学の心理学の教授 キャロル・ドゥエックの研究)
たとえば、算数の時間に計算の練習をしているとき。
計算をまちがえたときに、それを隠そうとしたり、まちがいに気がついているのに丸をつけてしまったりする子がいます。
わたしの教えた子どもたちも、友達から「頭がいい」と言われている子ほど間違いを隠してしまいました。
もしかしたら、これを読んでくださっている頭のいいあなたにも、間違いを誤魔化してしまった経験があるかもしれません。
これはどうしてなのでしょう?
頭がいい子は失敗してはいけない?
頭がいいと言われている子は、「できない」という経験をしたことが少ないのです。
だから、できない・失敗するということがこわいんです。
できなかったら、失敗したら、友達からダメな人だと思われてしまうかもしれないと心配になる人もいるでしょう。
いつのまにか、「頭がいい自分」でなければいけないという思い込みができてしまう。
そうすると、「頭がいい自分」でい続けられるようにするために、失敗するかもしれない難しいことにも挑戦しなくなっていくんです。
「頭がいいね」というほめ方の例からも分かるように、結果をほめるという方法はその人の成長をさまたげてしまうことになります。
ほめたのに、それがマイナスになってしまうなんて残念ですよね。
結果ではなくプロセスに注目
では、勉強している人のやる気を引き出すには、どんな声のかけ方がいいと思いますか。
実は、結果をほめるのではなく、結果までのプロセスをほめることだったんです。
たとえばテストでいい点数を取った人に。
「すごい!頭がいいんだね!」と言うのではなく、
「すごい!頑張って勉強したんだね!」というほめ方をする。
その結果を得ることができたのは、その人が努力して勉強したから。
ぜひ、その努力をほめて励ましましょう。
実験では、努力をほめられた人たちは、9割が新しい問題に挑戦しています。
ほめられることで、努力したことが認められて、「もっと努力しよう」という気持ちをつくることができるんですね。
たとえ結果が出ないときでも、努力をほめることはできます。
失敗したとしても努力をした自分に自信をもっていいんだということに気づいてもらいましょう。
目標に近づくサポートができる人になろう
一人で勉強を続けるのはとっても苦しいもの。
知識や技術を身につけるには、努力が必要だからです。
支えて励ましてくれる人がいたら、こんなに心強いことはありません。
「頑張ってるね」
「ノートのページをこんなに使ったんだね」
その人だけに当てはまることを具体的に伝えると効果アップです。
ぜひ、学習者の成果でなく過程をみて、たくさんのほめ言葉をかけていきましょう。
あなたの言葉で勉強しているに頑張る力をプレゼントしましょう。