おやすみラボ

学校の外で、カラフルな自分に。

学力を上げる近道・勉強に大切なのは技よりも術

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ビリギャルの先生として有名になった、坪田信貴先生

 

彼の新刊、才能の正体 を読みました。

 

才能の正体 (NewsPicks Book)

坪田 信貴 幻冬舎 2018-10-17
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「ビリギャル」では、学年ビリのギャルだった「さやかちゃん」を、偏差値40アップで現役で慶応義塾大学に合格させた坪田先生。

 

これは、さやかちゃんが特別だったわけではなく、彼女にあう学習の仕方で正しく努力したから。

 

すべての人が、自分に合う方法で正しく勉強することで結果を出すことができるといいます。

わたしもそう思っています。

 

今回の本では、坪田先生が才能についてじっくりと説明をしています。

 

勉強中の人、勉強を教える立場の人にはもちろん、仕事をしている社会人など、とにかく自分の力を伸ばしたいと思っている全ての人もおすすめです。

 

その中にあった『技と術』の考え方を知っていると、勉強の効率がぐっと上がるなと感じたのでシェアします。

 

 

 

 

勉強の技術の『技』と『術』

 

坪田先生は武道をされていますが、技の練習をしている人よりも、術を学んだ人のほうが成長がはやいといいます。

 

では勉強での『技』と『術』って何なんでしょう。

 

『技』は、部分的なもの

 

たとえば、

計算とか漢字とか、ドリルで練習して覚えるもの

九九や地図記号みたいに、暗記するもの

 

覚えればすぐに使える。

 

一問一答みたいなものに使われる基礎・基本の知識。

 

でもこういうのって忘れやすいし、応用に弱いんです。

 

歴史の年号なんかも『技』で、覚えればすぐに使えるけれど、忘れやすくないですか?

 

『術』は、もっと広く、視覚的 

 

『術』は、そういう部分的なことではなくて、もっと広い知識です。

 

視覚的であったり、繋がりがあったりするもの。

 

単純な暗記ではないので、すぐに忘れることはありません。

 

社会の問題での「技」と「術」

 

たとえば、社会の問題。

 

歴史で、「江戸時代の出来事を並べ替えましょう」っていう問題が出たとします。

 

これを「技」で解くには、一つ一つの出来事の年号を暗記しておいて、その順に並べ替えるというやり方になります。

部分だけを覚えているイメージ。

 

でも、これを「術」で解くとしたら。

 

  • 〇代目の将軍がこんなことをした。
  • だからこの事件が起きた。
  • その事件がきっかけで町がこんな風になった。
  • それで○○というきまりがつくられた。    ・・・みたいな。

 

おこった出来事を、流れに沿って並べます。

年号はかならずしも暗記している必要はありません。

 

『術』を使って勉強すると、楽しい

 

勉強では『術』を知っていると、応用がきくし楽しいです。

 

今度は、小学校4年生の算数で、つまずきやすいところの話を例にします。

 

4年生は、初めて「公式」という言葉を習います。

 

そして、(△+〇) ×̻̻ ▢= △×▢ + 〇×▢ とか、暗号みたいな式を勉強するんです。

 

これを覚えなさいって言われても、呪文みたいに何回も覚えて暗記するしかないんでしょうか。

 

 

実はこれ、面積を求める場面をイメージできれば、とっても簡単なんです。

 

この (△+〇)×▢ = △×▢ + 〇×▢ という式は、分配法則の式

 

イコールの右の求め方でも左の求め方でも、答えは同じになるよーというもの。

 

これを、図にするとこんな風に。

 

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2つに区切られた長方形の面積を求める公式です。

 

この面積を出すには、

  • 上の面積と下の面積をそれぞれ出して、あとから合わせる解き方

    △×▢ + 〇×▢

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または

  • 真ん中のしきりをムシして大きな長方形だと思って解く解き方

    (△+〇) × ▢

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という2つのやり方があって、どちらで解いても答えは同じだよーということを言いたい式なんです。

 

この面積の話が理解できる人は、公式を丸暗記なんかしなくても、頭の中にこの図をイメージするだけでこの公式をつくれるんです。

 

分配法則 算数 数学 坪田信貴 公式 暗記 勉強法


これが術。

 

数学ガール というシリーズ本が売れているのは、算数・数学の「術」に気づかせてくれるストーリーで、それをおもしろいって感じる人がたくさんいるからでしょうね。

 

みなさんだったら、どちらの勉強の技術が好きですか?

 

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

結城 浩 SBクリエイティブ 2007-06-27
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短期的な「技」、長期的な「術」

 

たしかに、暗記が得意な人はこれくらいの公式ならすぐに覚えられるかもしれない。

 

でも、「技」の勉強をしている人は、算数の計算問題を解いていて、37×15+63×15に出会ったときに、「あ、この問題、公式が使える!」って気づけるかって言ったら、きっと気づかないと思う。

 

小学4年生にこの公式を教えた後、教科書には練習問題がついています。

「便利で楽に計算できる方法を、ぜひ公式使って試してみてね」という意味の問題です。

その問題へのほとんどの小学生は、

 

「どこを工夫したらいいかわかんない。普通に計算したほうが早いし楽。」

 っていうんです。

 

なんとも残念な気持ちになります。

 

 

これも、勉強といえば計算ドリルや漢字ドリルをすることみたいに思ってしまっている子が多いからだと思います。

 

もっと「術」を意識した、長期的な知識や学力をつけること。

 

そうしたら、勉強のおもしろさも分かるし、学ぶことが楽しく感じるのになと思います。

 

本当の学力をつけるには、術を身につけよう

 

すぐに覚えられることは、すぐ忘れます。

だから「技」の勉強法は、中間テスト・期末テストには効果的だけれど、実力テストではなかなか結果がでません。

 

定期テストみたいな範囲の短い、短期間だけ覚えておけばいいテストで結果がよかった・悪かったということは、あまり意味のないことです。

 

せっかく勉強するなら「術」の視点をもって、長期的につかえて、ずっと記憶に残る、ほかのことにも応用もできる。

そういう力をつけていきませんか。

 

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